どうやって女性弁護士になるの?

どうやって 女性弁護士になるの?

自己管理(マネジメント)をしよう

どうやって 女性弁護士になるの?その3【自己管理(マネジメント)をしよう】

合格へ向けた正しい計画を立てたら、さっそく動き出しましょう。

法科大学院の入試対策を始めるのか、その前に入門書を読むところから始めるのか、司法試験予備校の講座を受講するのか、人それぞれのはじめの一歩があると思います。

いずれにしても、実際に一歩を踏み出したら、確実にゴールまで走り抜けましょう。そのためには、日々サボらず計画どおりに勉強を積み重ねる必要があり、徹底的な自己管理が要求されます。これは、まさに合格まで自分をいかにマネジメントするかということです。

自己管理というと、ものすごくストイックでなければならないようで「自分には無理かも…」と引いてしまう人が多いと思います。もちろん、合格までの数年間はサボらず緩まず勉強を継続するストイックさが必要です。でも、自己管理とは、必ずしも根性論で歯を食いしばって耐えることだけではありません。

「スケジュールに従って勉強を継続するぞ!」という強固な意志も大事ですが、勉強を継続できるような環境をつくること、そこに自分を置き続けられるようにすることも自己管理のひとつなのです。

【スケジュールに従って勉強を継続できるような環境づくりとは?】
1.物理的な勉強環境の整備
2.メンタル問題の克服
3.捨てる作業

物理的な勉強環境の整備

まず、物理的な勉強環境を整えること。

これは親が子供に学習習慣を身に着けさせるときにやるべきだと言われていることと同じです。遊び道具が散らかった騒がしい部屋で「勉強しなさい!」と言っても子供がなかなか集中できないように、集中力は物理的な環境に左右されるところが大きいのです。

なので、司法試験勉強を継続するにあたっても、まずは集中できる環境を整えることが大事です。家であれば、机、椅子、棚、照明、空調を整える。家族やペットがひっきりなしに出入りして邪魔をすることがない場所を確保しましょう。

家ではそのような場所を確保できない、あるいは家では集中できないという人は、家の外で自習室を確保しましょう。法科大学院に入学すれば、1人1席の自習室利用が認められます。法科大学院の自習室は、パーテーションで机が区切られていて気が散らないようになっていますし、周りにも必死に勉強している人がいますので一番おすすめです。

スペースの確保ができたら、机に並べるもの・視界に入るものはシンプルにします。おすすめは、その日に取り組む教材のみを机上に並べ視界に余計なものが入らないようにすることです。全部の科目の教材が視界に入るとつい好きな科目に手が出てしまったり苦手科目への焦燥感が湧いてきたりして計画通りに勉強が進まなくなることがあります。そうならないように、今日やる分だけが視界に入るようにしましょう。

音に敏感な人は、ノイズキャンセリングヘッドフォン、イヤーマフ、耳栓などをいくつか試してみてベストなものを手に入れましょう。

ついついお腹がすいて気が散ってしまう、という人は、いちいち何かを食べるために席を立つことがないよう、ガムなどを常備し食欲を紛らわす工夫をしましょう。

携帯電話は、用もないのについ触ってしまうものなので、離れた場所(ロッカーなど)にしまいます。時間の確認のためだとしても携帯を触ることは集中を阻害するのでNGです。

このように、自己管理の一環として、物理的な勉強環境を整え、自分の集中を妨げるものを徹底的に排除することが重要です。

メンタル問題の克服

物理的な勉強環境を整備しても、どうしても気が散る、集中力を保つことができないという人がいます。

そういう人を見ていると、メンタルに問題を抱えているように思います。メンタルといっても大げさなものではなく、なんとなく不安定、なんとなく不安、という程度の問題です。

なんとなく不安定、不安という人は、往々にして(無意識かもしれませんが)人と自分を比べています。人より上に見られたい、人より下だと思う、あの人のやっていることが気になる、かっこつけたい、かわいく見られたい、人からどう見られているか気になる、よく見られたい、恥をかきたくない…といった具合です。人との比較目線からくるさまざまな思いが起因して、眼の前に広げている教科書とは別のところに意識がふわふわと飛んでいってしまいがちなのです。

こういう場合、まっさきに取り組むべきは「人と比べてしまうこと」を止めることです。

「人と比べること」は習慣化してしまっているので、それを止めるのは難しいかもしれません。

でも、それなりの投資をして、司法試験の勉強を始めたあなたは、いま「人生崖っぷち」です。何が何でも合格して弁護士にならなければ、収支マイナスの黒歴史を抱えることになります。そんな状態のときこそ、人と比べることを止めるよいチャンスです。

かっこつけることも、劣等感を抱くことも、嫉妬も、優越感も、周囲の人間からの評価も、外見も、何もかも、社会と断絶した状態の司法試験受験生にとってはどうでもいいことです。ただ1つ、合格という結果さえ出せればいいのです。

人生のうちたった2、3年間、司法試験の勉強をしている間だけでいいので「人と比べること」を凍結しましょう。そうすれば驚くほどにメンタルが安定します。メンタルが安定すれば、集中できるようになり計画どおりに勉強を進めやすくなります。

捨てる作業

物理的な勉強環境を整え、メンタル問題を克服したら、自己管理としては上々です。

もう1つ重要なのが「捨てる作業」です。落ちる人は、「捨てられない人」なんです。

何の話かというと、普段我々が大きな目標なく暮らしているとき、我々の生活を構成する要素はとても多いんです。

一般的な女性であれば、美容、健康、子供や家族のこと、食事、人付き合い、仕事、掃除、洗濯、メイク、ファッション、SNS、趣味、推し、流行りのもの、雑多な買い物、季節のイベント、冠婚葬祭、携帯などのデバイス、家・車・物の管理・メンテ、、、、ひっきりなしにやるべきこと・考えるべきことがやってきます。これに加えて、YoutubeやInstagramを見る人であれば、いつでも世界のどこかからおもしろ動画がアピールしてきます。

普段の生活は、これでいいのです。人や物、やるべきことに囲まれてにぎやかに暮らしていくのは幸せなことです。

でも、1つの大きな目標に向かっている時期は、これではダメなのです。多くの要素に囲まれるなかで勉強に集中をするということは、非常に難しいからです。

実際に、多くの脱落した受験生たちがそうでした。「普段の生活」を捨てられないため、集中して勉強している時間が圧倒的に足りないのです。集中できない、継続できない、というのは、根性が無いからではなく、生活を構成する多くの要素を捨てきれずそれらに邪魔をされ続けるからなのです。

司法試験の勉強をスタートしたら、一番最初に捨ててほしいのは、あなたが「好きで好きでやっていること」です。

もしあなたがメイク好きで、新しいメイク道具や方法を研究して毎日かならずきれいにメイクしてでかけている人であったら、司法試験に合格するまでメイク好きを捨ててください。捨てるというと拒否反応を示す人がいるかもしれませんので、「停止」と言い換えてもいいかもしれません。合格するまで、停止です。ノーメイクで出かけろとは言いませんが、5分で終わるような最低限のメイクで済ませるようにして、メイクの情報を目にすることも止めましょう。メイク道具売り場にも近づきません。合格したら「死ぬほどメイクしてやる!」と思いながら、勉強しましょう。

大好きなものを1つ停止できたら、2番めに好きなもの、3番めに好きなもの、と徐々に要素を捨てていきましょう。

好きなものを停止し、視界から、そして頭の中から消し去ってしまう。そうすることで、集中して勉強することを継続することが簡単になります。

好きでやっていることをいくつか捨てることができたら、次は社交関係をばっさり捨てましょう。友達からの誘い、同窓会、冠婚葬祭は早い段階でさらっとお断りをします。2、3年くらいつきあいが悪い変人な時期があったとしても、司法試験の合格後に「実は・・・」と種明かしをすれば皆理解してくれます。

子供や家族のこと、家事は最低限しなければなりませんが、これについても、2、3年くらいの限定だと言って頼み込んで他の家族に頼んでしまいましょう。料理も掃除も、人生の数年間手を抜いてもどうってことありません。子供がいる人は、必死に勉強する親の背中を見せる時期だと割り切りましょう。

どんどんと捨てていきましょう。やがて生活を構成する要素が少なくなっていきます。ミニマリストのようになれば自己管理としては大成功です。シンプルになった毎日を、ただひたすらに目標に向かって勉強し続けて過ごせばいいのです。

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