司法試験受験生のみなさんに是非実行してほしいのが、
「視野を狭めること」です。
一般的には、人間として視野は広いほうがいいと言われます。幅広い経験や人脈は人生を豊かにするものですし、社会に出てからも役立つでしょう。しかし、司法試験という一つの大きな目標に向かって努力している時期だけは話が別です。この期間に限っては、視野は広いよりも狭いほうが断然有利です。合格までの数年間は、司法試験のことしかやらない・考えない、まさに「司法試験オタク」として過ごすべきなのです。
この「視野を狭める」という考え方は、一見極端に思えるかもしれません。しかし、試験に合格した先輩方の多くは同じように過ごしてきています。受験勉強はマラソンのような長期戦であり、意識を散らしている暇はありません。視野をあえて狭め、集中することが勝利への鍵となります。
司法試験合格のためになぜ視野を狭める必要があるのか?
理由はシンプルです。
1日は24時間です。
例えば計算してみましょう。
- 睡眠は健康と集中力のために必須。8時間は確保すべきです。
- 食事・お風呂・トイレなど、日常生活に必要な時間は合計2時間。
- 準備や移動、軽い休憩を含めれば3時間。
ここまでで13時間が消費されます。残りは11時間。これが「理論上の勉強時間」です。
ただし、これはあくまでも机上の計算です。現実には、名もなき用事がどんどん発生します。ネット銀行で振込をする、部屋の掃除をする、洗濯をする、ゴミを捨てる、家族の用事を済ませる、宅配便を受け取る、病院にお見舞いに行く、壊れてしまった家電を買い直すなどなど。最低限に絞ったとしてもやらないといけない用事はそれなりにあります。
また、あなたの集中力の問題もあります。11時間勉強できると言っても、本当に集中できる時間はせいぜいそのうちの9〜10時間でしょう。
さて、これに加えて、もしあなたが、普通の人たちがするように、恋人とデートして、丁寧にメイクして、日課の筋トレをして、SNSをチェックして、趣味の動画を見て、友達付き合いをしているとしたら…どうでしょう。勉強時間は一気に削られてしまいます。「普通の人の生活」をしていると、司法試験合格に必要な“ソリッドな勉強時間”を確保するのはほぼ不可能になるのです。
合格するまでの数年間だけです。司法試験の受験生の間は、合格するまで、人生の要素をとにかく削って削っていきましょう。
寝ても覚めても司法試験のことだけ。
視野はうんと狭く。
社交を数年間ストップしても、真の友達は減りません。
趣味をストップしても、好きなものは消えません。
普通の生活をしていたら時間が足りません。
普通に日常生活を送らない、という戦略
司法試験オタクとして視野の狭い日々を送ることが司法試験合格の近道です。それは、言い換えれば、普通に日常生活を送らないということです。
普通の生活には膨大な要素が含まれています。普通に生活をすると、要素が多すぎて時間や気持ちが司法試験以外のことに分散してしまいます。
普通に生活しないために、以下を試してみてください。
まず、生活の要素を分析する
まず、自分の生活を徹底的に洗い出してみましょう。
どのような要素が、あなたの時間や気持ちを支配しているのかを正しく把握します。これにより、何を削るべきかが明確になります。
あなたの時間と気持ちを支配しているものでありがちな例としては、
・ 見た目へのこだわり
鏡の前の時間、美容室の時間、洋服を選んだりする時間
・ 好きなこと(趣味・娯楽)
趣味関係の動画を見ている時間、スポーツニュースを読む時間、筋トレの時間
・ 人間関係・メンタル
恋愛や人間関係がらみでいろいろ考えている時間、悩みを人に相談している時間
・ ネット関連
何かを検索しまくる時間、ネットニュースやインスタをただただ見ている時間、動画の連続視聴
・ 日常に付随する無駄・ロス
寝付き・寝起きの悪さ、食材の買い物・調理・後片付け、整理整頓が出来ていないことからくる探しものの時間
こうした“目に見えない浪費”は驚くほど大きいものです。
あなたはどんな要素に時間と気持ちを支配されていますか。正直に、冷静に、分析してみましょう。
司法試験以外の要素を断ち切る方法
あなたの時間と気持ちを支配している司法試験以外の要素がはっきりしたら、それらをできるかぎり削りましょう。
これは一生涯ではありません。合格までの数年間だけです。思い切ってどれだけ多くの要素を断ち切ることができるかどうか、これが司法試験に合格できるかどうかの分かれ目です。
効果的な方法は、物理的に視界から排除することです。
SNSならアプリを削除、部屋に飾っている好きなものがあればどこかに預けてしまう。
趣味の道具を処分し、仲間のグループから退会。
ファッションやコスメは所有数を1/10くらいに減らしましょう。
部屋がごちゃごちゃしていると、視界から気が散るので、断捨離もしましょう。
副作用として家事効率もぐっと向上します。
人間関係については、思い切って連絡を絶つことをオススメします。人と会う、連絡をする、ということは、視野をぐっと広げてしまいますので、司法試験受験生にはあまり望ましくない要素です。
恋人や家族以外は、数年間連絡しないくらいのつもりで。冠婚葬祭も可能な限りスキップしちゃいましょう。
家事や子どもの世話などに関しては、最低限に抑え、家族などに最大限代わってもらいます。数年間インスタント食品を食べても、掃除の回数を減らしても、問題ありません。合格後にリカバリーすればいいことです。
現代人にとっては、「デジタルデトックス」、「趣味・好きなこと休止」、「人間関係縮小」ーーーは難しく感じるでしょう。
でも、これをやらなければ“普通の生活をしている人”のままです。司法試験に合格する人は、あえて“普通”を手放しているのです。
行動を可視化する ――時間の計測と振り返り
生活を削ぎ落としたら、次は「勉強時間を数値化」しましょう。
ソリッドに勉強した時間がどれくらいだったか、自分自身へとフィードバックすることでさらに要素を減らす可能性を探ります。
おすすめはストップウォッチ法。
ネットで1000円くらいで売っているシンプルなストップウォッチを常に机上に置いておき、勉強開始と同時にオン。トイレに立つ時もしっかり止めて、「ソリッドな勉強時間=集中時間」を正確に把握します。
その日のスケジュールやコンディションに応じたマックスの時間を活用できたのか、日々の自分を振り返るデータとなります。
私の体験 ――ファッション誌BAN
少し古い話ですが、私自身も「不要な要素をBAN」した経験があります。
私は、ファッション雑誌を読むのが習慣でした。
しかも性格的に、広告や目次を含む全ページを端から端まで読まないと気が済まないタイプ。
雑誌を読むくらい司法試験受験生だってしていいじゃないか、と思うかもしれません。
でも、実際は大きな時間泥棒でした。
雑誌って情報の宝庫なんですね。雑誌代や読む時間の浪費だけではなく、そこから得られるインスピレーション「この洋服欲しい」「このコスメ気になる」と気持ちが散っていくのです。知らずしらずにものすごく気が散っていくきっかけとなります。
そこで、私は、合格するまでファッション雑誌BANを自らに課しました。不思議なものでやめてみると案外、なくても良かったりします。合格後もファッション誌を読むことは無くなりました。
皆さんは何をBANしますか?
まとめ ――司法試験というゲームに勝つために
司法試験合格は、人生の数年間を試験だけに捧げられるかどうかにかかっています。
普通の生活をしていては、合格に必要な時間も集中も得られません。
- 視野を狭めて司法試験オタクとして過ごすこと。
- 生活要素を削ぎ落とし、不要なものをBANすること。
- 毎日を数値化してフィードバックすること。
これらを徹底すれば、必ず合格への距離は縮まります。
視野をうんと狭めて、司法試験というゲームに打ち勝ちましょう!
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